田岡茂一と2004年NBAファイナル 前編

魅力的な選手が多いスラムダンクですが、彼等を指揮する監督もそれぞれの

個性があり、物語にかかせない存在です。

そんな中でも陵南高校の田岡監督が好き、という方は多いのではないでしょうか。

 

私も大好きな監督の1人ですが、なぜこの方が皆に好かれるのか。そして監督としても

非常に優れていると思う点を話します。

…スラダンに出てくるキャラって誰1人どうでもいいキャラがいない気がする…。

 

1、明確な目標を選手に告げる

陵南高校3年キャプテン、魚住。彼が1年生の時、田岡監督は厳しい指導を選手に

施します。あまりの辛さに倒れる魚住。横で休ませようとさせる仲間に対し、

手を貸すな、ゆっくりでもいい、自分の力でやり遂げろと怒鳴る監督。

 

毎日怒鳴られ、嘔吐する。そんな毎日が続くある日、いつものように裏で吐いていた

魚住は田岡監督に先輩達の足手まといになっていると、辞める事を伝えます。

そして泣きながら、自分はただでかいだけと陰口たたかれていることも知っていると。

 

そんな魚住に対し、やっとチームの中心になる選手が入部してくれた。それはお前だ。技術や体力をつける事は出来る、お前をでかくすることは出来ない。オレがどんな名コーチでも。立派な才能だ。お前が3年になった時、陵南初の全国大会出場。そんな夢を見ているんだと伝える田岡監督。

 

思いを伝え、2人は練習に戻ります。そして魚住は3年生の最後までバスケを

続けるのでした。諦めようとしていた魚住を、自らの夢を明確に伝える事で最後まで続けさせた監督の言葉。とにかく勝ちたいなどのあいまいな言葉ではなく全国大会出場、というはっきりとした目標を聞いたからこそ、魚住は最後までバスケを続けたのでは

ないでしょうか。

 

2、目標達成の為に自ら動く

魚住をチームの中心として、周りの仲間を集める為に監督は動きます。

まずは魚住の同学年の三井。そしてチームの柱になるためのガード、宮城。

そして10年に1人の逸材、流川。結果は言わずもがな全員湘北へ行ってしまいます。

ただ、自らの目標達成の為に、また思いを伝えた魚住、チームの為に動く行動力は

素晴らしいです。魚住、三井、仙道、宮城、流川。実現してたら本当にやばかった。

 

3、すべての責任を自ら請け負う

もうこれは説明不要ですし、田岡監督の事が好きになる理由1位にもなると思いますが

一応説明します。勝ったほうが全国大会の切符をつかむ湘北対陵南戦。

今のチームで構想上のチームを倒すことも可能だと選手を信じている田岡監督。

 

加えてこの試合、湘北の安西監督が不在であり湘北の不安要素をついた陵南は徐々に

全国を手中に収めようとしていました。試合も終盤、体力の限界を超えた三井が倒れ、

代わりに入ってきた木暮とまだ入部してまもない桜木を田岡監督は軽視します。

 

結果、予想できない未知の動きをする桜木と重要な場面で3Pを決めた木暮が

この試合を決定づける事に。陵南は全国出場を逃しました。

試合後のインタビューで敗因を聞かれた田岡監督。そこで彼は桜木はただの素人、

小暮は層のうすいベンチ要因として見ていた事を伝えます。

そして監督史上最高の名言。

 

 

 

敗因はこの私!!陵南の選手たちは最高のプレイをした!!

 

 

 

こんな言葉そうそう言えるものではありません…。よく試合後負けた選手達に

やる気が見えなかった、なぜいつものプレーができないんだと怒る監督、多いです。

できないんじゃなくて、試合で普段通りにプレーできるようにしてあげる指導をその

監督ができてないんですよね…。この一言は、まさに理想の監督ともいえる

一言です。

 

想像以上に長くなってしまったので、今回はここまで。後編は2004年のファイナルに

ついて話します。

 

常に120%の気持ちで練習して、やっと本番で100%の結果が望めると父に

よく言われていたのを思い出した羊と羽根でした。

いつか、本物のジョーダンに会いたい。