日本人高校生がフリースローラインからダンクするのも、そう遠くない未来かもしれない。
バスケ漫画の金字塔、スラムダンク。もしジョーダンとマジックが同じチームだったらというコンセプトでつくられ、いまだ連載が続くディアボーイズ。超人的能力をもつ
高校生たちが、バスケコート内で壮絶な戦いを繰り広げる、黒子のバスケ。
今まで数々のバスケ漫画が世に出回りましたが、94年~99年まで連載されたハーレムビートというバスケ漫画をご存知でしょうか。漫画的プレーが多くありつつも、1試合
ごとに毎回しっかりとした内容があり、キャラクターも様々なタイプがいてなんだ
かんだ全巻揃えて読んでしまった私がいます。
主人公の成瀬徹(なるせとおる)は今までなにをやっても長続きしない性格。高校では
バスケ部に入りましたが、パスしてきた先輩に対しそのままそっくりパスを返す始末。
また補欠かあ…と嘆く成瀬でしたが、キャプテンから声をかけられます。内容は…
買い出しでした。
部活後、買い出しに出かけた店で幼馴染の楠田みずきと出会った彼は渋谷のストリートコートへ連れてかれます。そこにはそのフープを支配している男、シュウがいました。
1対1をすることになるわけですが…全く歯が立たない成瀬。あっさり諦めます。
そそくさと帰ろうとする成瀬に対し、一生補欠やってろ!と発破をかけるみずき。
奮起した彼は最後のワンプレー、フリースローラインから踏みきり、空中でシュウを
交わしゴールを決めるのでした…ここから成瀬の物語が始まります。
ざっくりと序盤のストーリー解説でしたが、驚異のジャンプ力をもつ主人公が徐々に
才能を開花させてく、という部分においてはスラムダンクに似ているものがあります。
ただ桜木はフリースローラインから踏み切ったあとリング手前にぶつかり転倒。
それに対し成瀬はがっつりダンクしてみせます。しかも試合中。さらに180cm以下で。
加えて物語が進むにつれて様々な必殺技を会得してくのですが…まあまだ他の技は
現実味があるんです。ただどうしてもこのエアウォークだけは無理でしょ。と
子供ながらに読みながら感じていました。ただ令和を迎えた現在は、
本当に無理なのか?
と実際に今後実在するのではないかと淡い期待を抱いています。
昔は160㎞を投げるピッチャーなんて漫画の世界でしかいませんでした。いまや
165㎞を投げる日本人ピッチャーが実在し、海を渡りメジャーで活躍しています。
フィギアスケートも昔漫画でありえないと言われた点数を超えています。もはや
4回転をするのが当たり前の世界になっています。では、バスケは?いやいや
さすがに身体能力があるから…という方は、八村塁さんを見てください。
彼はハーフだから、なんていうのは愚の骨頂です。あの方は日本人で、今まさに
身体能力の化け物が集まった世界、NBAで戦っています。こんなこと数年前まで
予想できたでしょうか?
我々の予想を超えた世界が、どんどんと現実になっているこの世の中です。
今後バスケット界に試合中にフリースローラインから踏み切ってダンクする高校生が
現れた時、主人公成瀬徹は空想上の人物ではなくなります。いつかそんな日が来るのを
夢見て。
そういやディアボーイズの主人公はさらに小さい身長でエアウォークしてたんだったと
書き終えて気づいた羊と羽根でした。
いつか、本物のジョーダンに会いたい。