流川とジョーダンが履いた、ⅤとⅫ。

あいつめ いつの間に パスなんか覚えた…

 

湘北のエース流川が初めて敗北を覚えた相手、山王工業のエース沢北。今まで彼がいればどんな相手でもなんとかなると思っていたベンチの仲間でさえ、その圧倒的力の差に黙り込むしかありませんでした。

 

とうとう成す術が無くなり30秒のカウントが迫ります。意を決しドライブをしかけますが相手チームの監督、堂本は身体がゴールへ向かっていないことを見極め沢北の勝利を確信。その瞬間、身体を反転させゴール下の赤木へパスを出したのでした。

 

パスを貰ったら常にまず1対1で得点を重ねていた流川。他の試合でも時々味方にパスは出していましたが、ここまで露骨にパスを選択したのは今回が初めて。その後も立て続けに宮城、三井へは自分をおとりにしながらパスを繰り出すのでした。

 

絶対的な1対1のスキルに加え味方を生かすパスを覚えた流川は、プレイヤーとして更なる高みへ上っていきます。オフェンスの選択肢が増えたからこそ、自分の1番得意なプレーがさらに活きる事となりました。

 

圧倒的1対1のスキルといえば…若かりし頃のジョーダンのプレーはもはや異次元でした。地上ではなく空中で相手をかわし得点をする。驚異的なオフェンス能力をもつ彼でしたが、それでも優勝に手が届くまでに7年かかっています。

 

チームで勝利する、と言っていたブルズですが結局最後はジョーダン頼りな部分が否めないのが現状でした。彼がⅤを着用した初優勝の前年90年、周りの仲間たちは優勝するためには個人が成長する必要があると感じ始めます。

 

頼るのではなく頼られるプレイヤーへ。確実に力をつけた仲間たちはフィルジャクソンが取り入れたトライアングルオフェンスを駆使し、ジョーダンを、そしてブルズを優勝へと導くのでした。

 

ジョーダン自身もチームに勢いが必要なときや自分がノッているときは自ら得点を取りに行き、それ以外は個人ではなくチームとして戦うという意識が強まっていました。優勝に手が届きトロフィーを手にした時の涙がすべての苦労を物語っていましたね…。

 

仲間を完全に信頼するきっかけをつくりだしたⅤのエアジョーダンは、彼等に選手として変化を与えたバッシュ、として見ることが出来るのではないでしょうか。1対1はオフェンスの1つの選択肢に過ぎない。深いです…。

 

さて、作中ではⅤのみを履いていた流川ですがその後Ⅻを履いているシーンがあります。それは昔流れた資生堂とのコラボCM。宮城が4番を着けていたり、ケガから復帰した桜木が試合で活躍したり…最終回のその後が見れて胸熱となっているので気になる方はぜひ見てみてください!

 

お願いだから湘北対山王を余計なキャスト抜きで映画でやってほしい羊と羽根でした。

いつか、本物のジョーダンに会いたい。