スラダンの4番がアクションを起こすときは、試合が大きく動くとき。

最近、高校バスケの背番号が自分の着たい番号を選べるようになった事を知り、少し寂しかった自分がいました。私に限らずやはりキャプテンは4番、という方は多いのではないでしょうか。かくいう私自身も小学校、中学校とこの番号を背負った1人です。

 

正直言うと着たくなかった、というのが当時の本音なのですが、1つ上にいた尊敬する先輩から託されたということもあり、この番号を背負う事に喜びを感じていたのも事実でした。弱小チームでしたが、あのチームでキャプテンになれたのは私の誇りです。

 

スラムダンクでこの番号を着けているのは赤木、魚住、藤間、牧、深津など…どの人物も強力なリーダシップでチームを引っ張るタイプのキャプテンでした。ただ試合でのスタイルが皆大きく違っているのは面白い点です。

 

赤木はパワープレイでガンガンに得点を重ね、牧はガードながら自らのドライブがメイン。魚住は小技を利かせつつ味方を生かすセンター。藤間は3Pを得意としかつ高身長の仲間を生かす。深津は常に冷静に相手の勢いを殺し、嫌な所で得点を決めてくる。

 

キャプテンという共通点がありながらも、こうもプレースタイルが違う5人。それを見事に描きわける作者の井上さん。この漫画は調べれば調べるほどその凄さに気づかされます…。

 

そしてこの5人がなにかアクションを起こしたとき、スラムダンクの試合が大きく動く予兆でもあります。まずは山王戦での赤木。全てが通用せず自分を見失いかけてた時、

魚住のおかげで自分が勝てなければ湘北は負けると思っていた事が間違いと気づきます。そこから彼は三井が得点できるようにスクリーンをかけはじめるのです。

 

次に魚住。彼の場合はあまり良くない形で試合が動きます。ファウルトラブルです。

海南戦では審判に抗議し退場。湘北戦では桜木にムキになり4ファウルでベンチへ。

彼がいなくなった後、どちらも相手に得点を引き離されてしまいます。

 

藤間は監督権コーチということもあり、途中から出場。彼が出てきた瞬間、翔陽はまったくの別チームへと変貌を遂げます。おせおせだった湘北を沈下させ、やや押され気味だった翔陽本来の強さを復活させました。

 

赤木が足を負傷しているにもかかわらず全力でプレーする姿を見て、スイッチを入れた牧。マークしていた宮城が前半はまだ本気じゃなかったのではという予想通り、一気にギアを上げます。次々と得点を重ねていき、湘北との得点差を広げていくのでした。

 

そして深津。常に冷静に、と書きましたがその冷静さが仇になってしまうシーン。

三井が3Pを連続で決めじわりじわりと得点を詰めてくる湘北。山王のパスが三井の

手にあたりボールがこぼれます。追っかけた宮城に対してわざとファールする深津。

 

今のは速攻につながってしまうからナイスファールとファンも納得のプレーでしたが…

そのファウルは完全な故意とみなされテクニカルファウルを取られます。流れが湘北に傾いた瞬間でした。その傾きを見事につぶしたのは山王の監督。さすがです。

 

あらゆる場面がハイライトのスラムダンクの試合ですが、4番を背負ったキャプテンに

フォーカスして見てみるとまた違った見方が出来るかもしれません。三浦台のキャプテンも脳天にダンクかまされてましたしね(笑)

 

もし自分が今高校生だったら、間違いなく23番は恐れ多くて着れない羊と羽根でした。

いつか、本物のジョーダンに会いたい。