郵便屋さんと切符買っとけよ

負けん気が強いNBAの選手達の中には、プレーだけではなく言葉で相手を挑発し、

動揺させる選手もいます。いわゆるトラッシュトークと言われるものですが、

ただ相手へストレートに挑発する者もいれば、なかなかユニークな言い回しを

する者も。

 

国民から神様と言われるジョーダンもその1人で、試合中相手のエースによく

話しかけて挑発していました。トラッシュトークも戦術の1つ。俺の言葉で

相手は我を忘れる、とジョーダンは言っており、実際餌食になったエースは数知れず。

 

言われっぱなしで終わらないのがNBAの選手達。当然相手からも反撃が来るわけで、

例えばジョーダンと並ぶ口の悪さで有名だったが3Pの名手、レジーミラー。

彼はルーキーの頃、エキシビジョンでジョーダンと試合をする機会がありました。

 

本選ではないので軽く試合をするジョーダン。前半は4点でミラーは10点でした。

それを見ていたミラーのチームメイトが彼に、あれが神様かよ?ミラー、ちょっと

なんか言ってやれよ!と彼にトラッシュトークを持ち掛けました。

 

そそのかされたミラーはよし、とジョーダンに向かっておいおい!?ほんとに

あんた神様なのか?とふっかけます。1度ミラーを睨みつけた後、軽くうなずく

ジョーダン。そして後半戦、彼は40点。ミラーは2点に抑え込まれたのでした。

 

試合後2度とトラッシュトークは彼にはしかけないと誓ったよ。と引退後に言って

いましたが、いやいやあなた試合中殴り合いに発展するくらいつっかかってました(笑)

彼の中ではそれ以降のジョーダンとの試合中の会話はトラッシュトークでは

なかったのでしょうか…?

 

真相は謎ですが、この2人は完全にストレートに口撃するタイプですね。反論されよう

ものならば自分のプレーでだまらせる。文句は言わせない、と言ったところです。

一方ジョーダンの相棒、ピッペンは相手のエースに対してユニークな言い回しで動揺を誘うのでした。

 

1997年ファイナル第1戦で相手チームのエース、カールマローンがフリースロー

打つ場面。2本中1本でも決めればリードを奪える場面でした。シュートを確実に

リングに届ける事からメールマン(郵便屋さん)の愛称で呼ばれていたマローン。

 

そんな中ゆっくりと近づくピッペン。そして耳元で彼はマローンに向かって

”郵便屋さんは日曜日には来ないよ”と囁きます。そう、その日は日曜日。普通の

郵便屋さんの配達はお休みだったのです。

 

1投目を外してしまったマローンは、続く2投目も外し、無事にメールを届ける事は

出来ませんでした。そしてその試合を決定づけるブザービートを決めたのは無論、

ジョーダン。神様には平日も休日も関係ないんです。

 

最近のNBAは昔に比べて大分ファールに対して厳しめの判定を取るようになって

います。ヘッドコーチが判定に納得のいかないそぶりをしただけで笛を吹かれることも

しばしば。そんな中、このトラッシュトークだけは未だにちょくちょく見受けられるので、試合中選手がどんなやりとりを交わしているのか気になるところです。

 

トラッシュトークと言えば…スラムダンクでもよく見受けられるシーンですね。

特に全国大会1回戦、大阪の豊玉高校とは試合前からバチバチでした。

180cmの相手ガードにわざとぶつかられ、小さいから見えんかったと言われた

湘北ガード、宮城。即座に”おい 切符かっとけよ”とつっかかります。

 

切符?と疑問に思う相手に対して、一言。

 

明日帰るんだろ?

 

はい、かっこいい。数あるトラッシュトークの中でもこの一言はしびれます。

その時の宮城の表情も完全に相手を見下してます。まあ、トラッシュトーク事態

あまり褒めたものじゃないんですけど、いいんです。かっこいいから。

 

時には自分を鼓舞するためにも使われるトラッシュトーク。バスケに限らず様々な

スポーツにおいてこの口論、試合以外での名シーンでもよく取り上げられるので

面白いです。試合前はバチバチなのに、終わった後互いの健闘を認め合うのも

スポーツのいいところ。

 

ミニバス時代、相手のキャプテンと口論しすぎて逆になぜか仲良くなった

羊と羽根でした。

いつか、本物のジョーダンに会いたい。