神の意志を継ぎ、王へ思いを託した男。
本日NBAのスーパースターが1人、飛行機の墜落事故で死亡しました。
既に現役は引退していましたが、彼が残した数々の功績は計り知れず、今後も
なんらかの形でバスケに携わってくれるとファンもワクワクしていたでしょう。
気持ちを全面に押し出すプレーは、時として自己中すぎると非難を浴びる事も
ありました。けれど彼は20年間、ひたすら所属したロサンゼルスレイカーズの為に
勝利を目指し続けました。
98年にジョーダンが引退する2年前、引退する前に彼と戦いたいと懇願した青年は
高卒でNBA入りを果たします。そして98年のNBAオールスターでその夢は実現。
若干19歳にして1対1ならあなたを倒せますよと神へ挑戦状を叩きつけました。
派手なプレーで会場を沸かす彼に対し、熟練の技で対抗するジョーダン。
これまでのNBAを担ってきた男と、これからを背負っていくであろう男の対戦は、
見る者をこれでもかと魅了しました。
そして時代は2000年代へ。ジョーダンは引退し、完全に時代は変わりました。
神様からバトンを受け継いだ彼はシャキールオニールというリーグ最強のセンターを
相棒に、3連覇を達成。しかし不仲によりチームはあっけなく分裂。トップチームから
一気に転落していきました。
どうやってチームを勝たせるか模索していた2003年。自分と同じく高卒でNBA入りを
果たした男がいました。後にキングと呼ばれる男、レブロンジェームス。
コービーなき後、NBAを背負っていくであろうこの男がつけていた背番号は、
かつて神様がつけていた番号と同じく23番でした。
孤軍奮闘が続く毎日。強いチームへ移籍することも出来た。それでも彼はレイカーズへ居続けました。時に1人で81得点をたたき出し、オリンピックでは2つの金メダルを獲得するのにも貢献。そして2009年、10年。新たな仲間と共に、シャックがいたから優勝できたという言葉を払拭し彼は再びリーグの頂点にたつのでした。
数々の伝説を残し、2016年。満身創痍の身体は限界を迎え、ついに引退を決意。
最後のゲームではシャックに50点取ってみろと言われ、笑顔。そこにかつての不仲は
ありませんでした。冗談で言ったシャックでしたが、実際に最後のゲームで60点を獲得。これにはシャックも見ていたファンも大興奮。最高の形で引退を迎えたのでした。
そして引退ゲームの少し前、レブロンジェームスとの最後の試合。かつての神様と
同じく今度は自分がバトンを渡す番です。
試合終了後に交わした言葉はほんの一言ずつ。そこに全てがつまっていました。
後はまかせた
了解した
バトンを託されたレブロンは現在、彼が所属していたロサンゼルスレイカーズで優勝を目指し戦っています。神様と同じ23番をつけて。
自分が学生の時に、NBAの第一線で戦っていた人物が亡くなったのを聞いたときは、
本当に驚きました。高校時代、ジョーダンが大好きだった自分と彼を溺愛していた
友人でよく論争していたのが懐かしく感じます。
NBAという人生の全てを捧げてようやくたどり着ける境地に、たどり着いた後も全てを
捧げていた男の名は、コービー・ブライアント。
本当に今まで数々の名プレーを、ありがとうございました。
彼と同じく毎日常に全力で生きようと決めた羊と羽根でした。
いつか本物のジョーダンに会い、天国でコービーに会いたい。